冒頭リップヴァーンが刷毛を手に口ずさんでいるのは「北海の騎士Ritter der Nordsee」要するに「高速魚雷をイギリスの船に叩き込んで、海を我らの手に〜♪」という第二次世界大戦期のドイツ海軍の打倒英国海軍の歌。

そこに、仲間を裏切った副長たちが登場。

リップヴァーンは彼らに対して「当海域における2m四方立方体分の海中面積を恒久的に領土として与え」さらに「当海域付近の魚礁における魚類への滋養分の散布行動」を命じるというのですが…これは領土=墓場であり、魚類への滋養分=死体ということ。

とどのつまりは「用が済んだらちゃっちゃとおッ死(ち)ね 英国野郎(ライミー)」ですから…

ちなみに「ライミーLimey」というのは、壊血病防止にイギリス海軍では酸っぱいライムジュースを飲むことになっていたことに由来するイギリス海軍ないしはイギリス人に対する蔑称。アメリカ人に対する「ヤンキーYankee」、日本人に対する「ジャップJap」とか「ニップNip」みたいなものです。

リップ嬢、イギリス人は大嫌いみたいです…汗

そしてここで、リップヴァーン中尉の特殊能力がついにお披露目。

「有象無象の区別なく…」というセリフとともに弾を一発発射。これをあやつって一石三鳥とでも申しましょうか、3人のイギリス人をしとめるわけです。

そしてヘリに積んでいた棺からは、おそらくは姿見では海を渡る事の出来ない、下級の吸血鬼であるミレニアムのメンバーがぞろぞろ…

甲板ではリップヴァーンがでかでか鉤十字を描き終えたところで、大英帝国海軍一番艦「イーグル」あらためドイツ第三帝国海軍大西洋艦隊旗艦『アドラーAdler(=Eagle)』の作戦行動開始を宣言するのでありました。

(つづく)

 

4巻第9話 −1

11/01/09

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