まずは扉絵。
What is that to us? You see to it.
だからどうした(我々に何のかかわりがあるというのか)、お前が始末しろ。(マタイの福音書27−5)
銀30枚と引き換えにキリストを裏切ったことを告白したユダに、祭祀長らが返した言葉。この直後ユダは銀貨を捨てて、首を吊ります。
まさにイスカリオテ〜。
O Death ,where is your sting?
おお、死よ、おまえのとげは、どこにあるのか?
O Hades ,where is your victory?
おお、ハデスよ、おまえの勝利はどこにあるのか?
こっちはたぶんコリント人への第一の手紙(15-55)なのですが、「O」は聖書だとつかないみたいなので、引用の元はまた別なのかもしれません。
ちなみにハデスは日本語でいう冥土とか地獄に相当する概念。この辺は後々の展開を考えると、アンデルセンにぴったりです。(それにしても手描き筆記体…ちょっと読みにくい…)
それでは話をもどして…
直通回線でアーカードからインテグラの元に連絡が入ります。
「オーダーをよこせ」
セラスの見せた「殺人」への罪の意識と戸惑いは、戦場にいる者にとっては「闘争の契約」に基づく理によりさばかれるべきもの。
ただ、闘争の卓についたとはいえ、戦場から離れたところにいて、主(あるじ)として命令を下すインテグラはどうなのか?
戦っている者に罪を負わせて、自分は手を汚さず、自らの罪からも目を背けていないか。
これから予想される闘争の展開において、おかすことになる罪を引き受ける覚悟はあるのか。
アーカードは、インテグラにオーダーを求めつつ、彼女にこの一線から踏み出す覚悟の有無を問い、さらに暗に覚悟を要求(オーダー)しているわけです。
これをうけて、インテグラしばし黙考…
そして「私をなめるな従僕!!」にはじまる姐御のすばらしい啖呵が!!!(もう、うっとり♪)
旦那も執事も、間違いなくインテグラに惚れ直したにちがいないであります。
(実際アーカードいわく「股ぐらがいきりたつ」そうですし…)
さて、ここでアーカードが口にした「イチジクの葉」についてですが、これについては、また次回。