やっぱり(笑)満月の夜。
前回に引き続き、イギリス進軍歌のひびくなか、大英帝国海軍空母イーグルに向かってくる怪しいヘリ。
ヘリは量産型(?)棺を満載しています。
イーグルの艦長は威嚇射撃を命じるのですが、ここで実は吸血鬼だった副長が突如本性を現して乗組員を次々に襲い、艦内はグールの巣と化します。
この副長は棺に入らなくても航海できていたということは、セラスよりも「しっかり吸血鬼だ」ということでしょうか?
そしてついにマスケット銃を肩に担ぎ、胸に鉤十字をさげた「リーダー」(リップヴァーン)がヘリから登場。(シルエットだけは豹の巣で既に登場。)
そのころロンドンヘルシング本部では…
セラスがいよいよ吸血鬼化が進行したらしく、人間の食事を体が受け付けなくなってきています。(まるでつわりに苦しむ妊婦ですよ。それにしても食事のときもしっかり手袋着用とは!!)
インテグラも血を飲むようにすすめるのですが、それでもセラスは受け付けないのをみて、テーブルのナイフで手袋つけたまま(!!)自らの指先を切って、血をなめるよう命令します。
結局おかげでセラスは楽になるのですが…
妙にエッチぃな描き方なんですよ(笑)
しかも「正真正銘100%処女の血だ」って!!
「インテグラってば!!」なんて思いつつも、たしかにあんなの(→アーカード)がくっついていたんじゃ、アタッカーも現れないよと思ったり…
それにしても、「あのアーカードを手なずけるのにも、インテグラこげなことしてるんかっ??」って誰でも想像しちゃいますよね〜。
とりあえず落ち着いたセラスに、ウェールズ沖でイーグルが連絡途絶により出撃準備するようインテグラから命令が下されたのでした。
(おまけ)ブラム・ストーカー版においては以前こちらでもふれたように、血のやり取りは一種セクシャルな関係を持つことと同義の扱いでありまして、さらにルーシーへの輸血の際には「信頼することができない女たちの血ではまずい。勇敢な男の血でなければ…」なんて言うくだりがあるわけです。ここではもう、同性愛に対する一種タブーが暗示されているということなのですが(文献2P427)そういう視点で見ればインテグラとセラスのこの場面、やっぱりエッチいに見えるのもやむなしかと!!(爆)
ところで「血を食す」ということについて、旧約聖書では「血は絶対に食べてはならない。血はいのちだからである。肉とともにいのちを食べてはならない」(「申命記12-23」)などなど複数箇所で血を食べることを禁じているのに対し、新約聖書では「人の子(=イエス)の肉を食べ、またその血を飲まなければ、あなたがたのうちに、いのちはありません」(「ヨハネ伝」6章)という記述もあって、禁じるか否かという点では違いはあるものの、いずれにせよキリスト教では「血は生命」という理解は一貫しているようです。(文献2)